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2008年11月17日

Vol...(111) 福岡移送

 ある日、私達家族だけ別の部屋に移されました。
そこはこじんまりとした小さな部屋でしたが、床には毛布が敷きつめられ木炭ストーブまで置かれていました。

 私達を案内してくれた職員から
「近日中に引揚者全員が福岡に移動する事になっていますが、大宜見さんの家族は此処に残れるようにしなさいとベンハムさんから指示されました。ですから貴方達は福岡に行かなくても良いですよ。」と言われました。
 私は何から何まで気遣ってくれるベンハムさんに感謝の気持ちでいっぱいでした。

 それから2〜3日して全員移送される日がやって来ました。
その日はとても寒い夜でしたが引揚者の中には病人も居ます。それでも窓も閉まらない夜汽車に乗せられ、遠い福岡まで連れて行かれる事になったのです。

 その中に、大宜味村謝名城出身の平良 春さんが居ました。
彼女は妻の出産直後から生まれたばかりの赤ちゃんの面倒を良くみてくれていました。

 春さんは私達の旧い友人ですが、夫がこの収容所で病死してしまい、彼女自身もマラリアを患っており、栄養失調も重なって歩くのも不自由になっていました。

 私はそんな春さんを独りで福岡へ行かせるのが偲び無く、此処に残れるよう所長さんに頼んでみる事にしました。
 最初はすでに決められているからと断られましたが
「春さんは私の兄妹のような者です。此処では私が責任を持って面倒みますから、どうか家族の一人として預からせて下さい。沖縄にも必ず一緒に連れて帰ります。」 
とお願いすると、所長さんもやっと了承してくれました。

 それから春さんは、私達と同じ暖かい部屋で食事も十分とる事が出来、みるみるうちに元気になっていきました。
posted by og at 16:26| 沖縄 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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